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イスの都 アトランティスの子守唄 海辺の階段 のぼって のぼって のぼってゆくと 崖の上に 白い ちいさな 家があった どの窓も 仏陀の手のひらのように 開け放たれて 中からは いい匂いがした 男は 二度 三度 秋の戸口へ立って挨拶したが 暗さのなかを ただからっぽの風が 吹きぬけた 崖の上からは なんでも よく 見えていたから のぼってきた階段の道を 男は 下った 無花果の実の樹があるところに ふるい 海の要塞があって 女がひとり 膝を抱きかかえながら 真裸で 座っていた そして 泣いていた いいや 歌をうたっていた 深みのある もの哀しい歌…… いいえ いい匂いのする ハミングであった だが 男の母親に似て 青白い肌が 弱々しかった 男は 眩暈がして その…… 女 を 抱いた 女は ちぐはぐな声で いま アトランティス の 子守唄 を歌っていた! と 海に 目配せする 大空の 下 青黒い肌の おおきな 影が まるで大陸のように ひとつ 沈んでいた 影は ときおり 水面へ浮き立ちて 男にわかるよう やはり 哀しい声で 歌ってくれた by_michihici SATO |
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