All Rights Reserved 2015 michihico SATO

            

 

 W e l c o m e !

 VIVA MICHIHICO MIGUMI

 WEB MUSEUM                

 Illustrator & Poet

 Atelier Snow_Drop

 






               










                              michihico SATOw : SALOME 2025


 




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コート・ギャラリー国立企画  LAPISMANIA XXV

    鉛筆派展23回展
      共通課題テーマ「衣裳(コスチューム)」
             を含む89名180点余りの鉛筆画作品の展示会です


   


『鉛筆派』とは画家・建石修志氏が主宰する鉛筆画塾で、そこで学ぶ門下生を中心とした鉛筆画展です。今年もゲスト・アーティストの1人として参加します。自由課題「S A L O M E」と、共通課題「Z o d i a c S」 の二点を出品予定しています。


建石修志・
大森伸樹・鈴木 伸・高橋いづみ・浅野勝美・つだなおこ長島 充・高野謙二・
篠塚はるみ・
深谷良一・若山和央・
佐藤三千彦・・・他、80余名(順不同)





        2025年4月17日(木)〜4月22日(火)迄
        AM 11:00 〜 PM 6:00 (最終日PM 4:00迄)


        コート・ギャラリー国立
        
186-0004 国立市中1-8-32
        TEL.042-573-8282 FAX.042-573-0023


                     http://www.courtgallery-k.com/






『眼のなかの青い鉛筆画』


コート・ギャラリー国立で開催された『鉛筆派23回』展で、私の「S A L O M E」を見て下さった方々から「青っぽく見えますがどこのメーカーの鉛筆ですか?」と、訊ねられることがよくあった。その度ごとに「三菱の u n i です」と応えた。すると訊ねた人が隣に展示してあった他者の絵を指差しながら「ほら、こちらのは真っ黒ですよね?」と云った。なるほど、隣にあるのは黒くって私のはちょっと青かった?!

ここからは、お伽噺のようなものだと思って下さい。

私はその謎々に付きまとわれ、その事をすこし考えてみた。
紙は堅牢なブレダンをよく使いますが、最近のブレダンはどうも惰弱、だから買い置きの古いブレダンを使用しましたが、色味は若干、ニューブレダンよりは黄色味が強いかも知れません。ところで、黄色の補色はムラサキ。これってちょっと妖しくないでしょうか。ムラサキが青っぽく見えることはあるだろうし、眼のなかで化(科)学反応が起こる場合もあるだろう。見た人の眼の内側で起こっている体験や、脳血流・脳血管の収縮や興奮による場合もある。

鉛筆画の妙は線と線の集合体であり、その線と線の間に塗り残されている紙白がときに叫び声のような光量を放つ場合があるだろう。そう考えれば、補色であるムラサキが漆黒の鉛に染まって青にも緑にも凝視する人の脳内で変化し、血流の加速によっては濃い緋色に化けるかもしれない。実際、「緑っぽい絵ですね」と云った人もいた。謎はこれだけでなく、光をたっぷりと吸収するには支持体の大きさが重要であろう。画面外の光が描かれた鉛筆画の紙白でどう小刻みに振動するかは眼に飛び込んでくる光の量によって左右されるようでならない。そういう意味で、四隅は大きい方がいいのかも知れない。ともあれ、このような突飛な遊び(空想)ができたのも大勢の皆さんが観覧して下さり、素直な感想を直に伝えて下さったから解ったようなものである。それにもまして、展示するチャンスを下さったT 氏のお陰だと感謝しています。

この度は、皆様ほんとうに有難うございました。




 

 

 

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コート・ギャラリー国立企画  LAPISMANIA XX

    鉛筆派展21記念展
      
共通課題テーマ「植物譜」を含む120点余りの鉛筆画作品の展示会



           

建石修志・井関 周・鈴木 伸・高橋いづみ・浅野勝美・樋上公実子・北見 隆・高野謙二・
篠塚はるみ・石田洲治
長島 充・佐藤三千彦・・・
他、70余名(順不同)




        2023年4月20日(木)〜4月25日(火)迄
        AM 11:00 〜 PM 6:00 (最終日PM 4:00迄)


        コート・ギャラリー国立
        
186-0004 国立市中1-8-32
        TEL.042-573-8282 FAX.042-573-0023


                     http://www.courtgallery-k.com/










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コート・ギャラリー国立企画  LAPISMANIA XX

    鉛筆派展20記念展
      
共通課題テーマ「植物譜」を含む120点余りの鉛筆画作品の展示会



 

 

        2022年1月6日(木)〜1月11日(火)迄
        AM 11:00 〜 PM 6:00 (最終日PM 4:00迄)

        1月9日(日)PM 4:00 多賀 新+建石修志トークショー

        コート・ギャラリー国立
        
186-0004 国立市中1-8-32
        TEL.042-573-8282 FAX.042-573-0023

                      http://www.courtgallery-k.com/










          ------------------ 雪が降って来た。

               ------------------ 鉛筆の字が濃くなって来た。


2022年  新年早々から開催される「鉛筆派」展の御案内をさせて戴きます。元はといえば、つたない自己流の鉛筆画で運よくイラストレーターとしてデビューしましたが、以来、鉛筆からカラーインク、アクリルガッシュへと画材を変えてきました。けれどもここ近年、混迷したまま現在へと至っています。そんな折り、画家・建石修志氏から声をかけて戴き「鉛筆派」展に参加することになりました。40余年ぶりの“エンピツガ”で右往左往しましたが、妙な楽しさや懐かしさを思いだす有意義な時間を過ごすことが出来ました。私のエンピツガは相も変わらぬよちよち歩きですが、60余名の方々によるバラエティー溢れる展示会です。宜しければ見て下さい。^_^

未だ先の見えないコロナ禍です。どうか、ご無理なく・・・・・・ 佐藤三千彦
 

                              

                  
                           Icon_ざくろの夢
                          150×150mm ; 2021


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バイエルンの薔薇摘み人

        一
列車がシンプロン・トンネルへさしかかった頃、私の隣で一人静かに食事をしていた老人が、やにわに話しかけてきた。男は東洋人ふうで、卜者だと名乗ってからこんなことをいった。 失礼だが、貴殿の謎を一つあばいてご覧にいれようか-----

        二
歴史を変えることはできないが、貴殿の青ざめた血には獣の匂いがしていた。冷たい鋼鉄の匂いもしている。だが思い悩むことはないだろう。次の駅のローザンヌあたりで下車をして、湖水地方でも散策してご覧なされ。その時、草叢で銀の針を拾うような又となき時の間に魔に溺るゝことであろう。一八九八年九月十日、死に取り憑かれた黒いぬばたまの貴婦人と出逢い、貴殿と婦人はそこで一つの生を切り開く・・・ 今日がその刻。

        三
老人は「一千年ぶりの帰郷ですわいな」と応え、サンクトペテルブルク、イルクーツク、ハバロフスクと回って旅順へ、そこからは船旅じゃ。と、独り言ちってしまうともう消えていた。

        四
ワゴンリーの応接食堂車(サロン・カー)はすでにシンプロン・トンネルを通過していた。白布の上のカンテナック86年が濃いルビー色を見せ、グラスからいまにも零れ散るかのような格好で妖しく揺れている。車窓の縁に飾ってあった花瓶の薔薇が匂っている。

        五
乳房から心臓左心室まで達する鋼鉄の刃による暗殺!のジレンマに、レマン湖畔を散策するオーストリア皇妃の幻影が浮かんだ。気高い鷲が錯乱してでもいるかのような皇妃の眼差しは、一八九八年九月十日、邪悪な罠を私に仕掛けるアフロディテよりも美しかった。

        六
-----Trap。・・・聖なる怪物を乗せた列車の尾はもうとっくにシンプロン峠の逢魔ヶ隧道を超えていた。そしてゆっくりと、ゆっくりと、ローザンヌという名のプラットホームにむかって減速をしていた。


      
                         Icon_一角獣は涙をなめる
                           424×348mm ; 2021

                       poem_バイエルンの薔薇摘み人






                            

 

                       



                            
                                               

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